緑影騎士外伝『英雄王』
後書
英雄王ルークと敗国の王女ロゼーヌの、出逢いから国王崩御までの物語、いかがでしたでしょうか。この物語は書こうかどうしようか迷っていたのですが、本編だけ読むとルークが完全に悪者だったので救済処置ということで、急遽UPすることにしました。
ひたすらにふたりの気持ちはすれ違い続け、結局最期まで通じ合うことはできませんでした。とても哀しい結末の恋物語だったのです。
せめてほんの少しだけでもルークに強引さか勇気があれば、それで済んでしまったはずなのに、あまりにも彼はお人好しすぎて、こんな結末を招いてしまいました。とても哀しいふたりの結末、果たしてふたりはしあわせだったのでしょうか。
ただひたすらにロゼーヌを想い続けていたルークは、その想いに気づくことのなかったロゼーヌは、しあわせだったのでしょうか。ふしあわせだったのでしょうか。ただの男と女としてめぐり合っていたならば、しあわせになれたのでしょうか。
書き上げてから思うのです。ふたりはしあわせだったのだろうかと。お互いの立場と些細なプライドとですれ違い続けた彼らに、夢見ることは許されないのだろうかと。
叶わなかった恋、届かなかった想い。もしかしたら、このふたりのように気持ちがすれ違っていただけなのかもしれません。思い切って打ち明けていたら、未来は変わっていたのかもしれません。
そんなふたりに、ささやかな夢を。
最後まで読んで下さって、ありがとうございました。2002.02.17