真空の聲、静謐の旋律
後書
2009年のエイプリルフールネタとしてやろうと思っていた「初音クエスト」がすべての発端でした。当時は色彩検定とかの勉強に必死でサイト関係も放置状態で、とてもそんなネタを仕込む暇もありません。そのときにブログでちらりと書いたあらすじが、
さらわれた巫女姫ルカを救出するべく選ばれたミク。自分が選ばれた理由もわからぬまま、それでもミクは音のない森へと向かう。
旅の途中に出会った少年・レンと交わした淡い想い、ミクに敵対心をむき出しにする少女・リンとの悲しい出会いと別れ、
そして伝説の大魔術師・がくぽを巻き込んで、ミクは音のない森へとたどり着く。そこで見た真実とは……。
というものでした。今回書き上げた小説とはあらすじにすれば似ているものの、設定が全然違ったはず。それを「寝る前にやる妄想シリーズ」でじわじわ考えているうちにネタが固まっていき、無事ずいぶん長い放置期間を経て作品として公開することができました。
今回サイトでは初の二次創作ということでドキドキしておりますがいかがでしたでしょうか。
せっかくの二次創作なんだからやれるだけネタは入れておこうと思い、「ミクねぎ」「たこルカ」「がくぽにG氏の曲を歌わせる」「ボカロキャラをできるだけ出す」を念頭に執筆いたしました。ロードローラーは無理がありました。他にもいろいろなコネタが入ってます。オリジナルではやれないことなのでとても楽しく執筆することができました。
自分で執筆しながら「この先どうなるの!?」とドキドキしながら執筆したのはずいぶんと久し振りです。着地点は決めて書いているのに何故でしょう。
元々は選択肢のある小説(昔でいうゲームブック)にしようと思っていたのですが、それをやったら執筆量的に無理がありすぎたので、ふたつあるトゥルーエンドのうちの切ない方(だと思う)で1つのシナリオにしました。もうひとつのトゥルーエンド(βルート)は下にリンクを貼りますのでもし気が向かれましたらご覧ください。分岐とバッドエンド含むマルチエンディングをβ後書で公開しています。
私ができることってなんだろう。
ふとそんなことを思いました。この物語を執筆し始める少し前に、自分の無力さとかちっぽけさとかをぐったりするほど思い知る機会を得たのですが、じゃあ私ができることはなにがあるの? 私がここを訪れてくれる方のためにできることって何があるの? 執筆は「神様が降りてきた時に」というスタイルだし、ここ数年勉強に明け暮れてろくに日記も更新していない有様で、私にあと何が残る?
考えた時に、ひとつだけ自信を持って言えることがありました。
このサイトは2000年8月にOPENしました。今年で満15歳です。小説の更新は数年ぶりだし、日記も月1がいっぱいいっぱいでしたが、「消えることなくここにずっと存在し続けた」ことだけは揺るぎない事実です。
少しまとまった時間が得られたので久し振りにいろいろな創作・素材サイト様をめぐってみたら、あちこちリンク切れをしていてとても悲しい気持ちになりました。ネットでは簡単に発表することができるけれど、簡単に消えてしまうこともできて、ただのROMでは追いかけることもできません。そんなとき、更新はされていなくても、ブログもなくても、そこに存在してくれている懐かしいサイト様を見た時に、とてもうれしくて、ほっとしました。
執筆することはできないかもしれません。ブログの更新も厳しいことがあるかもしれません。
でも、ここに存在することはできます。そばにいることはできませんが、ここにいることはできます。ちっぽけな私にもできる、それがここを訪れてくれた方のためにできることかな、と思います。
時々、思い出したらまたここに遊びにきていただけたら幸いです。
最後まで読んで下さってありがとうございました。